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禁煙外来について

禁煙治療は一定要件を満たせば保険適応が可能です

ご自身の健康面の心配や周囲からのアドバイスがきっかけとなって禁煙に挑戦される方は毎年多くいらっしゃいます。しかしながら十分に満足のいく成果が得られる方は実際には少ないという現実があります。禁煙が長く続かない最大の理由は、「ニコチン依存症」という病気が根底にあることをまだ多くの方が正しく理解されていない点にあります。

当院では禁煙外来を設けており、タバコにまつわるさまざまなご相談に幅広くお応えいたしております。禁煙治療は一定要件を満たせれば保険適応も可能な治療となります。お一人で悩みを抱えることなく、まずは当院までお気軽にご相談ください。専門知識に長けた医師が患者さんと二人三脚で手厚くサポートいたします。

こんなお悩みはありませんか?

  • 何度も禁煙に挑戦しているけれど失敗を繰り返している
  • 禁煙したいけれど何から始めればいいかわからない
  • 会社や家庭で喫煙に対する肩身の狭い思いをしてストレスを感じている
  • 家族や周りの人から具体的に禁煙を勧められている
  • 自分の健康だけでなく、大切な家族の健康を守るためにも今すぐタバコをやめたい
  • 無理のないペースで計画的に禁煙を始めたい
  • タバコにかかる経済的な負担からも禁煙を前向きに検討したい  など

Q.どうしてタバコはなかなかやめられないの?

A.最大の原因は「ニコチン依存症」という病気にあります。その方の性格や資質による問題ではなく、身体面・心理面のそれぞれにおいて改善を図るための正しい理解と適切な治療法が必要となります。

ニコチン依存症とは―

タバコに含まれるニコチン成分には、麻薬として知られるヘロインやコカインなどに匹敵するレベルの非常に強い依存性があることが知られています。

喫煙により肺から取り込まれたニコチンは脳に到達し、大量のドーパミンを放出させます。ドーパミンは快楽を感じる脳内神経伝達物質となるため、大量放出によって強い快感が喫煙者に与えられます。その他にもノルエピネフリン(覚醒・食欲抑制)、セロトニン(気分調整・食欲抑制)、アセチルコリン(覚醒・認知作業の向上)などの神経伝達物質が盛んに分泌されるようになります。喫煙習慣が長期にわたるほどに、脳内の神経伝達物質の調節がニコチンよって大きく左右されるようになるため、徐々に本来の自己分泌能力は低下してゆきます。脳内の回路がますますニコチン成分の摂取に頼るようになることで、禁煙などタバコを吸えない環境が続くと不快感をはじめとするさまざまな離脱症状が生じます。

ニコチン依存症の克服においては、身体的な治療アプローチと心理的でのサポートの双方向での専門知識に基づく治療が必要となります。

加熱式タバコにもニコチン成分や発がん性物質が含まれるため治療対象となります

加熱式タバコの主流煙にも紙タバコと同様にニコチン成分や発がん性物質が含まれているものがあり、喫煙者本人はもちろん周りに対しても同様の被害をもたらします。紙タバコ同様に禁煙治療が行われる対象となりますのでご相談ください。

保険適応の条件について

ニコチン依存症は病気となるため、以下の要件を満たす場合には健康保険が適応される診療となります。

ただちに禁煙することを希望されている方

禁煙治療に同意される、問診表を兼ねた文書のご提出が必要です。

喫煙年数×1日の喫煙本数=200以上である方

35歳未満の方は200以下でもご受診いただけます。
加熱式タバコ利用者でも保険適応の診察をお受けいただけます。
※200に満たない場合は保険診療対象外にはなりますが、治療を受けることは可能です。

3ヶ月間に5回の診療プログラムに必ず受診できる方・
他の医療機関を含む過去1年間以上、保険診療による禁煙プログラムを受けられていない方

他の医療機関を含む前回の治療初診日より1年以内では自由診療となります。

以下のニコチン依存症スクリーニングテストにて5点以上となる方
TDSニコチン依存度テスト はい
1点
問1 自分が吸うつもりよりも、ずっと多くタバコを吸ってしまうことがありましたか?  
問2 禁煙や本数を減らそうと試みて、できなかったことがありましたか?  
問3 禁煙や本数を減らそうとしたときに、タバコがほしくてほしくてたまらなくなることがありましたか?  
問4 禁煙したり本数を減らそうとしたときに、次のどれかがありましたか?
<イライラ・神経質・落ち着かない・集中しにくい・憂鬱・頭痛・眠気・胃のむかつき・脈が遅い・手のふるえ・食欲または体重増加>
 
問5 問4でうかがった症状を消すために、またタバコを吸い始めることがありましたか?  
問6 重い病気にかかったときに、タバコはよくないとわかっているのに吸うことがありましたか?  
問7 タバコのために自分に健康問題が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか?  
問8 タバコのために自分に精神的問題が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか?  
問9 自分はタバコに依存していると感じることがありましたか?  
問10 タバコが吸えないような仕事やつきあいを避けることが何度かありましたか?  

合計5点以上の方は保険適応となります

Q.禁煙外来ではどんな治療が行われているの?

A.当院の禁煙外来では、禁煙状態を維持・実現するための専用の医療プログラムに則った治療が行われています。禁煙補助薬を用いて体の内部からの改善を図る治療と、喫煙に対する欲求や不安などメンタル面でのサポートの双方を軸とした治療が展開されています。

禁煙補助薬を用いた治療アプローチ

当院では主に現在ニコチンパッチを用いた治療を行っております
ニコチンパッチとは、喫煙によって皮膚内に取り込まれたニコチン成分を吸収して取り除く効果が期待される貼り薬です。禁煙時の離脱症状(イライラ・集中困難など)を緩和し、症状の改善を図る効果が認められています。循環器疾患や呼吸器疾患、消化器疾患や代謝性疾患などの基礎疾患をお持ちの方で禁煙の必要性がある場合の禁煙補助薬としても用いられています。1日1回起床時から就寝時まで貼付し、標準的な使用期間は8週間(2ヵ月)となります。

※ニコチンパッチを使用できない方※
  • 非喫煙者
  • 妊婦や妊娠している可能性の方
  • 授乳中の方
  • 不安定狭心症の方
  • 発症後3か月以内の急性期心筋梗塞の方
  • 重篤な不整脈がみられる方 
  • 経皮的冠動脈形成術や冠動脈バイパス術を受けた直後となる方
  • 脳血管障害回復初期の方・過去にニコチンパッチによる成分で異常を生じられたことのある方 など
※ニコチンパッチの使用に注意が必要となる方※

以下に該当される場合には事前に医師までご相談ください。

  • ご高齢の方
  • 心筋梗塞や狭心症を患われたことのある方
  • 狭心症の症状が現在安定されている方
  • 高血圧や不整脈、脳血管障害や心不全、末梢血管障害がみられる方
  • 甲状腺機能亢進症や褐色細胞腫などの内分泌疾患をお持ちの方
  • 糖尿病の方 
  • 消化性潰瘍や肝腎機能障害のある方
  • てんかんやその既往歴をお持ちの方
  • アトピー性皮膚炎や湿疹性皮膚炎などの全身性皮膚疾患をお持ちの方 
  • 神経筋接合部疾患やその既往歴がある方 など
メンタル面での力強いサポート

医師や看護師によるカウンセリングを中心としたサポートを行っております。患者さん一人一人の状況に応じて、不安感や喫煙に対する欲求を軽減するためのケアを積極的に行っております。

保険適応による治療スケジュール

保険適応となる禁煙治療においては、12週間で計5回のプログラムが実施されます。

初回診察

医師との相談によってまずは禁煙開始日を決定します。
治療開始にあたっては、問診を含めた喫煙状況の確認やニコチン依存症のスクリーニングテスト、呼気中の一酸化炭素濃度の測定、「禁煙誓約書」へのサインなどが必要となります。
次回の診察日の決定を行い、治療のための禁煙補助薬の処方を行います。

その後、2 週間後・4 週間後・8 週間後・12 週間後の定期的な通院が必要となります

その後計 4 回にわたって、定期的にご受診いただき、禁煙状態の継続のための専門的な治療が行われます。

2回目以降はオンライン診療も可能です

当院では2回目以降の診察より、オンラインでのご受診も可能となります。

LINEで簡単にご受診いただけます

当院はLINEドクター登録医療機関です。LINEのビデオ通話機能を利用して、ご自宅から簡単に医師の診察をお受けいただけます。必要に応じて薬の処方や配送も可能です。ご予約は当日1時間前までお受けいたしております。
オンライン診療時間:毎日20:00-24:00(休診日:木曜午後・土曜午後・日曜・祝日)

費用の目安

保険適用(3割負担)の場合

12週間にわたる計5回の禁煙治療は、約13000~18000円が目安となります。

1日1箱の喫煙を続けた場合、3ヶ月でタバコ代は45,000円程度となります。(1箱500円換算)禁煙外来にかかる治療費は、3ヵ月のタバコ代と比べても比較的リーズナブルな価格となります。ぜひこの機会に禁煙治療を始めてみてはいかがでしょうか。

喫煙に伴う疾患の発症数や死亡数は加速度的に増加しています

2019年の厚生労働省発表による「リスク要因別の関連死亡者数」によると、年間約19万人の方が喫煙を原因として亡くなられているという現実があります。タバコに含まれるニコチン成分には血管収縮や血圧上昇を引き起こす作用など健康面での深刻な事態を招くリスクを高めるか、口腔・咽頭・食道・肺・胃・膀胱などといった主要な部位におけるがんの発症率を高めることが知られています。加えて脳卒中や糖尿病、心筋梗塞等の疾患とも因果関係が深く、万一お子さんが口にされた場合などはその毒性の強さから直ちに生命を脅かす危険さえ考えられるものとなります。お子さんの誕生を機に禁煙を決意される方も実際の診療現場では大変多くみられます。ご自身の健康のためだけでなく、大切なご家族の健康を守るためにもぜひ禁煙治療をご検討ください。

別名「たばこ病」とも呼ばれるCOPD(慢性閉塞性肺疾患)

咳や痰、息切れなどの症状が顕著に現れ、正常な呼吸が困難となる病気です。COPDは「慢性閉塞性肺疾患」と呼ばれ、特に喫煙習慣のある中高年の方に生じやすい疾患です。COPDの治療においてはまずは禁煙が第一選択となります。狭心症や心筋梗塞、不整脈が起こりやすくなるだけでなく、肺がんは約10倍にも上る発症リスクが推定されています。

医療的専門プログラムに基づいた禁煙治療で、禁煙成功率を高めます

喫煙によって生活習慣病など何か具体的な問題を生じられて、自己流で禁煙に挑戦される方は多くいらっしゃいますが、途中で諦めてしまわれる方も少なくなく、さらにはご自身に自信をなくされてしまわれる方も診療現場では多くみられます。

当院の専門的な医学的見地に基づく禁煙プログラムでは、自力で禁煙を目指される方より高い成功率が実証されております。ご自身を取り巻く大切な方々を喫煙による被害から守るためにも、ぜひ前向きに計画的な禁煙をご検討いただければと思います。禁煙外来に関するご質問やご不明点等ございましたら、どうぞお気軽に医師やスタッフまでお声がけください。

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